多摩川の上流域には、かつて海だった地層が集まってできた岩石が広がっています。川を遡れば遡るほど、地球の歴史がそこに積み重なっています。河原で石を一つ拾うだけで、億年単位の時間に触れることができる——そんな視点で多摩川の石ころを探索してみました。
多摩川の石ころ図鑑
多摩川の石はいわば「地球の博物館」。川が石を削り運ぶことで、さまざまな岩石が一堂に集まっている
多摩川の河原には、さまざまな種類の岩石が集まっています。上流から流されてくる石は、源流域の山地に分布する様々な岩石を反映しています。川が石を削りながら運ぶうちに角が取れ、丸くなっていきます。下流ほど丸い石が多く、上流ほど角張った石が見られます。
チャート・石灰岩・泥岩
左:赤〜緑色のチャート 右:白〜クリーム色の石灰岩
チャートは赤〜緑色で硬く、ガラスのような質感を持つ石です。昔の海底に積もった「放散虫(ほうさんちゅう)」という微小な生き物の殻が固まってできたもので、非常に硬いのが特徴です。火打ち石としても使われてきた歴史があります。
石灰岩は白〜クリーム色で、サンゴや貝の殻などが積み重なって固まったものです。多摩川上流の山地には、古い時代に海底だった地層が残っており、そこから削り出された石灰岩が流れてきます。
泥岩は黒〜灰色で、海や湖の底に積もった泥が長い時間をかけて固まったものです。比較的柔らかく、表面がなめらかなのが見分けのポイントです。
杏仁状玄武岩・石英・その他
左:気泡の穴が白い鉱物で埋まった杏仁状玄武岩 右:半透明の白い石英
杏仁状玄武岩(あんにんじょうげんぶがん)は、マグマが冷えて固まるときにできた気泡の穴が、後から白い鉱物(方解石や石英など)で埋まったユニークな模様が特徴です。アーモンドのような楕円形の白い斑点が並ぶ独特の見た目で、河原で見つけると思わず手が止まります。
石英は半透明の白い石で、非常に硬く傷がつきにくいのが特徴です。砂浜の砂の多くは石英の粒子でできており、河原でも多く見られます。透き通った白さが美しく、子どもたちにも人気の石です。
石は川の流れで運ばれるうちに、他の石とぶつかって角が削れ、だんだん丸くなっていきます。上流ほど角張った石が多く、下流ほど丸い石が多いのはそのためです。石の丸さを見ることで、その石がどれだけの距離を旅してきたかがわかります。
🌿 まとめ
石ころを一つ拾うだけで、億年単位の地球の歴史に触れることができます。次に多摩川の河原に行ったら、ぜひ足元をじっくり観察してみてください。チャートの赤い石、石灰岩の白い石、杏仁状玄武岩の模様のある石——探し始めると止まらなくなります。