「生きた化石」とは、大昔から姿をほとんど変えずに生き続けている生き物のことです。シーラカンスやカブトガニが有名ですが、実は住宅地や公園にも、何億年もの時を生き抜いてきた生き物たちがひっそりと暮らしています。今回はその中から特に身近な3種をご紹介します。
色いろいろな「トビムシ」たち
湿った落ち葉の下に暮らすトビムシ。恐竜よりはるかに古い生き物
トビムシは約4億年前に登場した原始的な虫で、恐竜よりもはるかに古い歴史を持ちます。翅(はね)のない昆虫で、体長は1〜2mmほどと非常に小さいため、普段はなかなか目に入りません。
湿った落ち葉の下や土の中に暮らし、カビや細菌、落ち葉を食べることで「分解の助っ人」として土壌の形成を助けています。色は白・黄・青・赤とさまざまで、よく見ると美しい模様を持つものもいます。庭の落ち葉をそっとめくってみると、案外簡単に出会えます。
翅をいち早く獲得した昆虫 カゲロウやトンボ
カゲロウの成虫。はかない命の短さとは対照的に、幼虫は約1年を水中で過ごす
カゲロウやトンボは、約3億年前に初めて翅を獲得した昆虫グループです。当時の昆虫の中でも先駆的な存在で、今も基本的な体のつくりをほとんど変えずに生き続けています。
カゲロウの成虫は数時間〜数日という短い命で一生を終えますが、幼虫は約1年間を川や池の中で過ごします。水辺の公園や河川の近くでは、春〜夏にかけて成虫を見かけることができます。はかなげに見えますが、地球の歴史の目撃者でもあります。
土手で暮らす太古の生き証人 ツクシ
春の土手で見かけるツクシ。古代の仲間は10〜20mを超える巨木だった
春の土手でおなじみのツクシ(スギナの胞子茎)は、約3〜4億年前に登場した植物の仲間です。花を咲かせず胞子で増えるという、植物としてはとても原始的な方法で子孫を残します。
古代のスギナ類の仲間は、高さ10〜20mを超える巨木として森林を形成していたと考えられています。現代のツクシはその名残を今に伝える小さな生き証人です。春の散歩の際に土手でツクシを見かけたら、その小さな姿に億年単位の歴史を感じてみてください。
🌿 まとめ
住宅地の足元にも、地球の長い歴史の生き証人が暮らしています。ツクシを摘んで食べたり、落ち葉をめくってトビムシを探したり——そんな何気ない行為の中に、億年単位の時間とのつながりが隠れています。