「自然観察って、なんだか難しそう」「虫の名前を知らないとできないのかな」と思っている方、多いと思います。
でも、私がイベントで一番大切にしているのは、じつは正反対のことです。 「むずかしくなくていい」「名前がわからなくていい」——それが出発点です。
名前を知ることが目的じゃない
公園でダンゴムシを見つけたとき、「これはオカダンゴムシです」と教えることは、それほど重要じゃないと思っています。
それより大切なのは、「さわってみたらどんな感触?」「丸まるのはなんでだろう?」「何を食べてるんだろう?」と、自分なりの問いを持つことです。
名前は後からついてきます。まず「おもしろい」「不思議だ」という感情が先にあっていい。むしろ、それが全てだと思っています。
「なんで?」が出たとき、いちばん嬉しい
子どもたちと一緒に自然観察をしていると、ふとした瞬間に「なんでこの虫は光ってるの?」「この葉っぱ、なんでギザギザなの?」という声が飛び出します。
そのとき、私はほんとうに嬉しくなります。
答えをすぐに教えなくてもいいんです。「そうだね、なんでだろうね」と一緒に考える。それだけで、観察はぐっと豊かになります。
大人が「一緒に驚く」ことの大切さ
子どもを連れてきた保護者の方から、「虫が苦手なんですが、大丈夫ですか?」とよく聞かれます。
もちろん、大丈夫です。むしろ、苦手な大人が恐る恐る近づいて「あ、動いた!」と驚く姿こそが、子どもにとっての最高のお手本だと思っています。
「すごいね」「おもしろいね」とリアクションする大人がそばにいるだけで、子どもの目の輝きが変わります。知識よりも、感情が先です。
「特別な場所へ行かなくていい」という気持ち
川崎市の公園で活動していると、「こんな身近な場所で、こんなに生き物がいるんですね」と驚かれることがよくあります。
山に行かなくていい。川でなくていい。駐車場の隅の草むらにも、ブロック塀の苔にも、そこにしかない命があります。
「遠くへ行かなくても、すぐそこに自然はある」——この感覚を、一人でも多くの方に届けたくて、この活動を始めました。
難しいことはあとでいい。まず、一緒に外へ出て、足を止めて、地面を見てみましょう。それだけで、何かが始まります。